日本の新聞やテレビでは中国への追加関税は20%としか報じていない。しかし、トランプ1.0で導入された最大25%の対中制裁関税は撤廃されていない。従って、正確には対中追加関税は45%になる。米国の対中平均関税は42.1%である。4月2日に発表された相互関税は中国については34%である。従って、対中追加関税は4月9日から79%となる。トランプが選挙期間中に対中追加関税60%と発言していたが、これを超えるレベルになってしまう。貿易ができないほど高い関税は禁止的な関税といわれるが、79%は禁止的な高関税に近いだろう。
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昨年クリスマスイブにやったSAPAシンポジウムをおさらいしてみたい。高橋俊樹先生の見方は、往年のJETRO調査部長を務めていた経歴がひかります。
トランプ氏は中国からの輸入品に対して 60%の高関税をかけると表明しております。前は最大 25%の対中追加関税だったのです。今回 60%まで引き上げとしておりますが、この根拠法ですけれども、通商法 301 条とか、関税法338 条が考えられます。この通商法301条というのは、記事等でご覧になっているかと思いますが、中国の不公正な貿易慣行があった場合に発動できることになっております。すでに現在行われております最大 25%の対中追加関税につきましては、301 条を活用しております。ですから、60%の関税を今度課税する場合においても、今すでに最大 25%の追加関税に適用しているのと同じ根拠法を使うことが考えられます。この301条は今、対中追加関税の根拠法として適用しているわけですが、1年以内の調査期間が必要と規定されています。ですから、今度 60%の対中関税かけるとすれば、またそのための調査をしなければならないということでございます。関税法338 条ですと調査は 30 日ぐらいで済むのですけれども、資料にありますように同338条の追加関税は最大で 50%ということになっているんですね。ですから、対中追加関税を60%かけるという時に 338条を使いますと、50%まで最高税率が下がってしまいますので、私はやはり通商法 301条を使うんじゃないかというふうに考えております。
(全文は会員ページの議事録にアーカイブ)