メディアや論文で引用され注目されているASEAN有識者調査2024が発表された。それによると、中国を信頼するという回答は24.8%、信頼しないは50.1%だった。最も信頼度が高いのは日本で58.9%、続いて米国が42.4%である。米国は2位だが前年の54.2%から低下した。中国の信頼度が低い国は、フィリピン(69.1%)、ミャンマー(65.6%)である。信頼できない最大の理由は軍事力と経済力を自国の利益と主権を脅かすために使用するである。一方、米国の信頼度が低下したのはインドネシア、マレーシア、ブルネイなどイスラム教徒の多い国であり、ガザ攻撃を行っているイスラエルを米国が支持・軍事支援しているためと考えられる。興味深いのは、親中国とみられているカンボジアでは米国の信頼度が56.8%と中国(31.8%)より高いことだ。
東南アジアで最も経済的影響力のある国は中国が59.5%で最多であった。中国の経済的影響力については、歓迎するが32.6%に対し懸念するが67.4%だった。一方、米国は14.3%で3位(ASEANが2位)だが、米国の経済的影響力は歓迎するが52.0%、懸念するが48.0%である。日本が最も経済的影響力があるという回答は3.7%に過ぎないが、信頼度は最も高く、中国と対照的な結果となっている。ASEANでの信頼度の高さは日本の貴重な資産である。
24年5月24日の日経新聞で高橋論説委員がガザ危機によりマレーシアやインドネシアなどイスラム教徒の多い国で米国への信頼度が減り、中国への信頼度が増したと同様の分析をしていました。