日本では報道されていないが、2025年にマレーシアで開催されるASEANとGCC(湾岸協力理事会)のサミットに中国が参加する。マレーシアのアンワル首相が2024年11月の中国訪問時に習近平主席を招待した。ASEANとGCCは、2023年にサウジアラビアのリャドでサミットを開催し、今後2年ごとに開催することに合意している。ASEANの議長国インドネシアのジョコ大統領とサウジアラビアのサルマン皇太子が議長となり、ASEAN・GCC協力枠組に調印した。2025年のサミットはASEANの議長国であるマレーシアが開催する。マレーシアのハサン外相は、3国・地域の枠組みをASEANの天然資源、GCCの資金、中国の市場が相互補完する戦略的トライアングルと述べている。ASEAN・GCC中国首脳サミットはハサン外相の説明を超える重要な意義を持っている。一つは、ASEANとGCCという国際経済と政治の面で極めて重要な(日本にとっても非常に重要な)グローバルサウスと中国の連携が進むことである。次にトランプ2.0で先行きが予測できず、また、関税賦課で大きな経済的な被害が予想される不確実な世界でのヘッジとなる。さらに、ASEANはGCC、中国との連携で国際政治とグローバルサウスでの発言力を高めることができる。トランプ2.0の登場で、ASEANでは米中どちらかの選択を迫られた場合、中国を選択する国が少なくないという見方がASEANでは出ていることに留意すべきである。
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